目の仕組み

スマホ老眼とは?主な症状や老眼との違い・今からできる予防対策

目の疲れや視力低下に不安を感じて、「スマホ老眼かも?」と心配になることがあるかもしれません。しかし、スマホ老眼とは具体的にどのような症状なのか、どういった対策をしたらいいかわからない方も少なくないでしょう。

本記事では、スマホ老眼の主な症状や老眼との違い、今から実践できる予防対策を解説します。スマートフォンなどのデジタルデバイスと上手に付き合い、スマホ老眼のリスクを減らしましょう。

スマホ老眼とは

【近くを見るとき】毛様体筋を収縮/水晶体を厚く 【遠くを見るとき】毛様体筋が緩む/水晶体を薄く

スマホ老眼(※)とは、スマートフォンを長時間見ることで目のピント調節機能が一時的に低下する状態です。

人の目には水晶体と呼ばれる組織があり、カメラのレンズと同じように光を屈折させ、像として見えるようにする役割があります。

たとえば、近くのものを見るときは、毛様体筋と呼ばれる筋肉を収縮させて水晶体を厚くすることで、ピントの調節を可能にしています。

しかし、近くにあるスマートフォンを長く見続けていると、毛様体筋が水晶体を引っ張り続け、適切に動かなくなります。

そのため、遠くのものを見ようと思っても毛様体筋が適切に緩まず、ぼやけて見えたり、近くのものにピントが合わなくなったりするのです。

スマートフォンを長期間見続けて毛様体筋を酷使すると、筋肉が凝り固まり、近視が進行するおそれもあります。

  • 「スマホ老眼」は、医学用語や正式な病名ではありません。

スマホ老眼と老眼の違い

スマホ老眼は、近距離にあるスマートフォンを見続けることで、目の筋肉が緊張し続け、ピントが合わなくなる状態です。

一方で、老眼は加齢にともない水晶体の柔軟性が弱まることで伸び縮みが難しくなり、ピント調節が困難になる状態を指します。

老眼の場合、一般的には40歳頃から症状が出始めますが、スマホ老眼は20~30代の若い世代にもみられる場合があります。

総務省の「令和5年通信利用動向調査の結果(概要)[PDF:2.52MB]」によると、スマートフォンでインターネットを利用している年齢層で最も多かったのが30代(92%)、次いで20代(90.5%)の利用率が高いことが報告されました。

このように、若年層におけるスマートフォンの利用率は高く、20~30代でもスマホ老眼が起こりうると考えられています。

スマホ老眼の症状

「スマホが見えづらい」「夕方になると目が疲れる」「ピントが合いづらい」

スマホ老眼になると、以下の症状が現れる可能性があります。「もしかするとスマホ老眼かも?」と疑問を持っている方は、以下に該当するかどうかチェックしてみてください。

  • 目が充血しやすくなった
  • 目が疲れやすくなったと感じる
  • 頭痛や肩こりが以前よりひどくなった
  • 夕方になると昼間に比べて見えづらさを感じる
  • スマートフォンの小さい文字が読みにくくなった
  • スマートフォンを見たあとに、遠くを見ようとするとぼやけて見える

ひとつでも当てはまるものがある場合、スマホ老眼の可能性があります。

また、現在は該当するものがなかったとしても、スマートフォンの使いすぎが原因で、スマホ老眼につながる可能性もあります。心当たりのある方は、日常生活に支障が出る前に対策しておくことが重要です。

スマホ老眼のリスクを減らす対策

スマホ老眼のリスクを減らすためには対策が必要です。普段からスマートフォンを頻繁に使用する方は、今のうちから以下の対策を心がけておきましょう。

スマートフォンと目の距離を一定に保つ

スマートフォンと目の距離が近すぎると、毛様体筋が水晶体を引っ張り、緊張状態が続いてスマホ老眼になる可能性があります。

画面を見る際は、目と本体の距離を30cm以上離すように心がけましょう。

その際、画面が見えにくいと感じるのであれば、コンタクトレンズや眼鏡での矯正をおすすめします。

適度に休憩をとる

画面を長く見続けて目に負担がかかりすぎないよう、適度に休憩をとることが大切です。目安として、1時間使用したら10分休むように心がけましょう。

休憩中は、しばらく目を閉じたり、遠くの景色を見たりして目を休めてください。

意識的にまばたきを増やす

長時間スマートフォンの画面を見続けると、まばたきの回数が減り、目が乾きやすくなります。

目の乾燥が続くと毛様体筋に負荷がかかり、スマホ老眼のリスクが高まります。画面を見る際は意識的にまばたきの回数を増やし、涙を循環させましょう。

なお、目をつぶる際は、上まぶたと下まぶたをしっかり閉じることを意識すると効果的です。

睡眠時間を十分に確保する

睡眠時間が不足すると、目の疲れが回復せず、一時的なピント調節機能の低下が起こる可能性があります。目安として、最低6時間以上の睡眠時間を確保するように心がけましょう。

また、寝る前にホットアイマスクを使って目の筋肉をほぐしておくのもおすすめです。

目のストレッチをする

目のピント調節機能の低下を防ぐためには、目の周りにある筋肉をほぐすことが大切です。長時間スマートフォンを使用する習慣のある方は、特に以下の対策を心がけてください。

  • 目を力いっぱいつむる
  • 目をパッと大きく開く
  • 顔は動かさず、目を一回だけ回転させる

上記のストレッチを1日2分程度続けることで、血流を促進し、目の疲労回復が期待できます。

遠近両用のコンタクトレンズを装用する

スマートフォンの画面を見る際に、目の負担をやわらげる方法のひとつが「遠近両用コンタクトレンズ」です。

遠近両用コンタクトレンズを装用すると、毛様体筋への負担が軽減され、ピント調節をサポートしてくれます。画面の文字が読みにくい、遠くを見ようとするとぼやける、といった症状が出てきたら、まずは眼科を受診しましょう。

遠近両用コンタクトレンズの見え方や向いている人については、以下のページで詳しく解説しています。ご確認のうえ、購入を検討してみてください。

関連記事:遠近両用コンタクトレンズの見え方

スマホ老眼が気になる方は店舗へご相談ください

スマホ老眼の不安を感じたときは、遠近両用コンタクトレンズに関する知識を持つスタッフに相談してみるのもひとつの方法です。

エースコンタクトでは、コンタクトレンズに詳しいスタッフがカウンセリングをおこない、お客様一人ひとりの生活環境や目のお悩みに合わせてレンズをご提案いたします。

「遠近両用コンタクトレンズは初めてで不安…」という方もご安心ください。豊富な種類の中からご自身に合ったものを選べるよう、丁寧にサポートいたします。詳しくは以下のページをご覧ください。

ご来店の際は、事前Web登録をしていただくと待ち時間を短縮しやすくなります。ぜひご活用ください。

  • 症状は、人によって程度や現れ方に個人差があります。
  • コンタクトレンズは高度管理医療機器です。必ず眼科医の指示に従いお使いください。
  • 眼科を受診の際には、健康保険証が必要です。必ずご持参ください。

今のうちからスマホ老眼対策を実践しよう

スマホ老眼は、スマートフォンを長時間見ることで目のピント調節機能が一時的に低下する状態を指します。

スマホ老眼の症状は、20~30代の若い世代にもみられる場合があるため、今のうちから、目と画面の距離を適切に保ったり、適度に休憩をしたりするなどの対策をしておきましょう。

また、日々の睡眠時間を十分に確保し、適度に目のストレッチを取り入れていくことも大切です。

画面の文字が読みづらくなったり、遠くがぼやけて見えたりした場合は眼科を受診し、遠近両用コンタクトレンズの購入も検討してみてください。