コンタクトレンズ

コンタクトレンズの酸素透過率とは?値の低さで起こるトラブルを解説

コンタクトレンズを選ぶ際に、「酸素透過率」という言葉を耳にしたことはありませんか?酸素透過率が低いコンタクトレンズを装用し続けると、目のトラブルに発展する可能性があります。

本記事では、コンタクトレンズの酸素透過率について解説します。酸素透過率の高いコンタクトレンズを選ぶポイントを知り、快適にレンズを装用しましょう。

コンタクトレンズの用語「酸素透過率」とは?

酸素透過率とは、コンタクトレンズがどのぐらいの量の酸素を通すかを数値化したものです。酸素透過率(Dk/t値)は、Dk(酸素透過係数:レンズの素材における酸素透過の程度を示す)をレンズの厚みで割り算した値です。

コンタクトレンズを装用すると、レンズが角膜の全体を覆うため、裸眼のときよりも酸素の供給量が減少します。酸素透過率の数値が高いほど、瞳に多量の酸素がいき渡り、目のトラブルが防ぎやすくなります。

▼従来素材の酸素の流れイメージ
※レンズに含まれる水分を介して酸素が通過します。
▼シリコーンハイドロゲル素材の酸素の流れイメージ
※水分を介してだけでなく直接レンズ素材を酸素が通過します。

コンタクトレンズの酸素透過率が低いとどうなる?

考える女性の写真

コンタクトレンズの酸素透過率が低いと、以下のトラブルが発生する可能性があるため、購入時には注意してください。

角膜内皮細胞が減少する

目に対して酸素が不足する状態が継続すると角膜の一番内側の角膜内皮細胞が減少し、細胞が酸素を取り込む作用が働き、黒目に血管が入り込む場合があります。

角膜内皮細胞は、裸眼の場合でも加齢とともに少しずつ減少していくのが特徴です。そのため、無理なコンタクトレンズ装用などで酸素不足が続くと、目のトラブルに発展するケースがあります。

角膜血管新生になる

酸素透過率が低いコンタクトレンズを装用すると、角膜に対して酸素がいき渡らなくなり、血管が広がって目の充血が起こる場合があります。
(参考:間違った使用は目のトラブルのもと!コンタクトレンズのトラブル例|メニコン

充血が続くと、白目の部分から角膜に向かって血管が侵入する角膜新血管新生になる可能性があるため、酸素不足にならないよう酸素透過率が高いコンタクトレンズを選ぶことも重要です。

抵抗力が落ちる

酸素透過率が低いコンタクトレンズを装用し、目が酸素不足の状態になると抵抗力が落ちます。そのため、傷がつきやすくなったり、感染症にかかったりする可能性があります。

酸素透過率が高いコンタクトレンズを選ぶポイント

酸素透過率が高いコンタクトレンズを選ぶポイントは、以下のとおりです。

  • レンズの厚みが薄い
  • 50%以上の含水率
  • ハードコンタクトレンズ
  • シリコーンハイドロゲル素材

コンタクトレンズの場合、含水率が高く、レンズの厚みが薄いほど酸素が通過しやすくなります。また、シリコーンハイドロゲル素材を使用したコンタクトレンズの場合、酸素透過性が高いとされています。コンタクトレンズを選ぶ際の参考としてください。

目の酸素不足を防止して快適にコンタクトレンズを装用する方法

目元を指さす女性の写真

目の酸素不足を防止するために重要なポイントは、コンタクトレンズを長時間装用しないことです。装用時間が長くなると、目にいき渡る酸素量が減少するため、トラブルが発生する可能性があります。

目に起こる不具合を防ぐためにも、コンタクトレンズの装用は1日12〜14時間を目安にしておきましょう。また、コンタクトレンズの管理・ケアを徹底し、汚れを取り除くことも大切です。

コンタクトレンズに汚れが蓄積すると、酸素透過率が減少し、目のトラブルに発展する可能性があります。必要に応じてコンタクトレンズをこすり洗いしたり、すすぎ洗いしたりして、清潔にしておきましょう。

コンタクトレンズの酸素透過率に関するよくある質問

Q&A

コンタクトレンズの酸素透過率に関するよくある質問は、以下のとおりです。

酸素透過率の確認方法は?

酸素透過率を確認したい場合は、コンタクトレンズの添付文書やメーカーのWebサイトをご覧ください。

一方で、商品によっては記載されていないことがあるため、気になる方は販売店に直接問い合わせて確認することをおすすめします。(メーカー非公表の場合、回答できない場合があります)

ソフトタイプのコンタクトレンズとハードタイプのコンタクトレンズはどちらが酸素透過率が高い?

ソフトタイプのコンタクトレンズとハードタイプのコンタクトレンズの酸素透過率を比較した場合、ハードタイプのほうが高くなります。

ハードコンタクトレンズの場合、レンズの直径が小さく、酸素透過係数が高い素材で製造されているケースが多いため、目にかかる負担が少なくなります。

目が充血するのはコンタクトレンズの酸素透過率が低いから?

コンタクトレンズの酸素透過率の低さも要因のひとつです。酸素透過率が減っているコンタクトレンズを装用し続けた場合、角膜が酸素不足になり、充血が生じる場合があります。

コンタクトレンズのことでお悩みの方はオンライン相談を

笑顔で電話対応をするオペレーターの写真

コンタクトレンズを装用する際、目のトラブルを防ぐことは重要です。コンタクトレンズの選び方や装用方法に不安がある方におすすめなのがエースコンタクトのオンライン相談です。

オンライン相談では、コンタクトレンズについて直接専門のオペレーターに相談ができます。そのため、疑問や不安に思うことが解決しやすくなります。

オンライン相談は、お手持ちのパソコンやスマートフォンを活用することで簡単に利用可能です。気軽に相談しやすい環境になっているため、ちょっとした相談をしたい方にもおすすめです。

専門の担当者と直接顔を合わせて話したい方は、お近くの店舗にご来店いただき、ぜひご利用ください。初めて相談する方は事前Web登録をしてからWeb来店予約をすると、来店時の待ち時間が短くなります。また、店舗検索では、自宅や職場に近い店舗を確認できますので、あわせてご確認ください。

  • 症状は、人によって程度や現れ方に個人差があります。
  • コンタクトレンズは高度管理医療機器です。必ず眼科医の指示に従いお使いください。
  • 眼科を受診の際には、健康保険証が必要です。必ずご持参ください。

目への負担を減らすには酸素透過率が高いものを選ぼう

白バックの白衣の若い女性の写真

コンタクトレンズの酸素透過率が減少すると、目が酸素不足になり、抵抗力が低下してトラブルが起こりやすくなります。そのため、目になるべく負担をかけたくない方は、酸素透過率が高い水準にあるレンズを購入しましょう。

含水率が50%以上であり、素材がシリコーンハイドロゲルのコンタクトレンズは酸素透過率が高いため、おすすめです。

コンタクトレンズを装用する際は、ケアや管理を徹底し、装用時間を守りながら快適に使用してください。

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